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  • 一般社団法人横浜青年会議所2017年運営テーマ共振

理事長所信

理事長所信

所 信

【はじめに】

夢なき者に理想なし、
理想なき者に計画なし、
計画なき者に実行なし、
実行なき者に成功なし。
故に、夢なき者に成功なし。

 

この言葉は、明治維新の精神的指導者である吉田松陰の言葉です。吉田松陰が叔父から引き継いだ松下村塾は、幕末の志士達を世に輩出しました。壮大な夢を描き、国家の発展を願い、同志を集め行動し、祖国を思い命を賭した幕末の志士達はまさに青年世代でした。

横浜青年会議所の設立趣意書には「祖国日本の再建は、我々青年の燃ゆるが如き情熱と撓まざる実行力に依ってのみ達成せられる。新しき社会を双肩に担う青年が同志相寄り相互の啓発と親睦を図り社会への奉仕を通じ広く全世界の青年と提携し将来における指導力の涵養に努めんとしここに横浜青年会議所設立せんとする。」とあります。

国難といわれる時代において変革の先駆者は常に青年であり、青年の情熱と行動こそが社会を突き動かすインパクトを創造することができると私は確信しています。現在を生きる青年世代として我々は、すべての価値の根源は自身にあるとの気概と覚悟をもって、一人ひとりが地域のリーダーとして行動してくべきだと考えます。

吉田松陰は、松下村塾において国家の危機を我が事として捉え、門下生に思いを伝播し行動を促しました。我々は、青年会議所という学び舎を通じて戦後の荒廃期に祖国の復興を願い立ち上がった先人たちの熱き思いを伝承し、みらいに夢を持ち計画を立案し行動していかなければなりません。

我々が先駆者として、そして先駆者の賛同者として社会という川面に事業という小さな一石を投じることによって波紋が広がり伝播していく、そして社会に対して小さな石を投じることのできる人を同時に育んでいく。個々の小さな行為の総和が想像を超えたパワーや結果を生み出すことを「創発」と定義付け、「創発」を通して明るい豊かな横浜の実現に向けて様々な訴求力を発揮していくことが我々の使命なのです。

 

【創発×まち】

横浜青年会議所はこれまでの歴史の中で、いつの時代も青年会議所活動において「まちづくり」が実践され、「まちづくり」に取り組む情熱は不変のものとなっています。その結果として、横浜スタジアムの建設、赤レンガ倉庫の商業利用化等「まちづくり」の一助となった実績や横浜開港祭、防災・減災に関わる事業や日本青年会議所と共催するサマーコンファレンス等、事業を通して多くの影響を及ぼしてきたものが数多くあります。行政との緊密な関係性の中で、一定の発言力と影響力を保持し、常に民間主導で「まちづくり」に参画をしてきた先人たちの情熱と行動力を確りと受け継ぎ、この「まち」に生きる青年経済人の責任として「まちづくり」に向き合い、行政との協働を実践して参ります。

横浜という「まち」は、ベイエリア地区から自然との触れ合いが感じられるヒルサイド地区や新興住宅地として開発された港北ニュータウン地区等、大都市でありながら多様性に富む特徴を持ちます。この横浜市内全域が持つ地域の差異性は横浜市内18区各々にあり、各区において様々な特徴があるのと同時に、各々に個別具体的な開発すべき問題が存在していることは言うまでもありません。そこには行政と民間の様々なレベルの利害調整をコーディネイトし、相互連携を主導するという我々の得意とする強みを活かし横浜青年会議所だからこそ実践のできる、果たすべき役割があると確信をしています。

日本全国を見渡せば、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生するユニークな取組みが多く見られます。それらの事例を考察し、中心的な価値を共有し、自らのコミュニティへ取り入れることは有意義な試みとなります。表層的な部分を捉えて単に水平展開を試みるではなく、ロールモデルの核心を捉えて自らへの反映を為すという作業は、横浜という「まち」に根差し、そして向き合い続けてきた我々だからこそ、より説得性を持った議論へ昇華できるとの自負があるのです。

横浜青年会議所の果たすべき責務として「まちづくり」に向き合い続け、開港以来多くの外国人とその文化を包摂し、日本の門戸として多様な文物をいち早く取入れ、発展を遂げた横浜らしいイノベーティブな価値を創造し発信することが横浜の魅力をより強めることに繋がるのです。

 

【創発×ひと】

歴史の浅い横浜において地域に根差した賑わいを創出するために、先人たちが膨大な努力を積み上げられた横浜開港祭は、本年で35回目を迎え、Thanks To The Port 「開港を祝い、港に感謝しよう」のテーマのもと、今では横浜市民にとって夏の風物詩となりました。山下公園で始まり、行政からの「まちづくり」の一助としての要望もあり開催地をみなとみらい地区に移し、現在のみなとみらいの発展に大きな寄与を果たしました。開港を祝うイベントが横浜市内で数多く開催されるようになった昨今だからこそ、横浜開港祭を単なる事業に終始させることなく、共催である行政との関係性を活かし、横浜青年会議所だからこそ行うことのできる市民祭へとより深化させる必要があるのです。協賛企業にとってのメリットを高めることは当然のことながら、一人でも多くの市民が協賛頂くことのできる仕組みを構築することによって、まさに市民が参画し市民が創るお祭りとしての観点において他のイベントとの一線を画し、「ひと」が集い「ひと」が地域の賑わいを自ら創出する機会として位置付け多くの市民と手を携えて、多くの市民の笑顔のために、本年も目的を見失うことなく横浜開港祭を開催させて頂きます。

「まちづくり」を通じて「ひとづくり」を行う。「まちづくり」のできる「ひと」を創って行く。「まちづくり」と「ひとづくり」は、密接不可分かつ相互に連関し相乗効果を生み出すべき取組みだと私は解釈をしています。人生は経験を積み重ねるものであり、「ひと」は小さなことでも、その経験が積み重なっていくことで成長していきます。私は、一歩を踏み出せば世界が開かれていることを青年会議所活動を通して多くの機会から得た人間として、青少年育成事業において、安易に自己規定をせずに常に前向きに物事に挑戦する大切さを伝える責任があると考えます。創造力を養うことのできるような、非日常的な体験を通じて、異質なものに対する寛容性を育むと同時に、多様な発想やイノベーティブな発想の素養を獲得し、我々が提供する機会から気づきを得て、どんな小さなことでもチャレンジできる「ひと」を創ることに意味を見出したいと考えるのです。そして、私たち大人にも複雑で不確かな世界情勢において、自らの立場を明確にするために多様な知識を獲得した上でリテラシーを働かせることのできる創造力が求められています。本質的な理論を習得し、氾濫する情報を読み解き洞察できる力を獲得するための機会を内外に発信することが、地域のリーダーを創りそして自らが地域のリーダーとなり未来を切り拓くために必要な創造力を得ることに繋がるのです。

 

【創発×相互理解】

横浜青年会議所は、300名を超える職種も経歴も様々なメンバーが所属してます。我々の母体組織であるJCIは世界的組織であり、その運動は現在119か国、4,750を超える地域で行われております。同じような「ひと」が集まるより違う体験をしてきた人たちが集まった時にこそ、多様性が掛け算となって大きな力になっていくと私は考えています。様々な人種や国籍の人たちが集い、国や宗教、価値観等が異なる人たちがお互いを尊重し合い認め合うからこそ新たな価値観が生まれるのです。

世界会議やASPAC等の国際の機会は、様々な国のメンバーが参加しており、我々はJCIの事業を通して、相互理解に努め価値観を深めることが、引いては横浜のシティセールスに繋がり民間外交に繋がる根本的な道筋であると考えています。

また、姉妹青年会議所・友好青年会議所との交流を通して、相互交流する機会にも恵まれ「ひと」と「ひと」の交流、「文化」と「文化」の交流に繋げられています。お互いの国や地域を知り、相互交流から相互理解への深化を図ること、そして、お互いに自分の国や地域との違いを知り、尊敬し合うことは、自国を誇れる国家観や確かな地域観を再認識することにも繋がるのです。

本年で21回目の横浜開催となるサマーコンファレンスは、日本青年会議所における最大の運動発信の場です。近代文明の発祥の地である横浜に全国から多くのメンバーが来られることによって「まち」の活性化に寄与することは勿論、サマーコンファレンスを共催させて頂くことで横浜青年会議所メンバーは、日本青年会議所の最大の運動発信に当事者として携わる貴重な機会を頂いています。全国から横浜に来られるメンバーとの交流や日本青年会議所へ出向されているメンバーとの交流は組織としても個人としても大きな成長の機会となっており、サマーコンファレンスを開催させて頂くことを通じて培った行政や他団体との連携性は横浜青年会議所にとって大きな「資産」となっています。だからこそ、これからも積極的に関わり続けて行く必要があり、過去20回の開催を頂いた青年会議所として、日本の青年の運動を力強く発信頂くための最良の伴走者でありたいと考えているのです。

我々の運動をより推進するためには、横浜青年会議所自体の認知の更なる向上が急務だと考えます。そのためには、我々がどの程度認知されていて、どのような広報を行えば効果的であるのか。どのような情報をどの層の方々にどのようにして発信すれば有効的なのかを検証し、戦略的に実行していく活動が必要であると考えます。事業の構築や実施における様々なカウンターパートとの協働や、事業への参加者の促進、会員の拡大等々へ好循環を拡げるために、情報の発信に戦略を持ち込む必要があると考えています。ひとりよがりにならず、一方向的な発信に留まらずに「共感」を掛け合わせることが、運動の発信力を高めることに繋がり、結果として地域のリーダーたり得るのです。

 

【結びに】

私は横浜青年会議所に入会してから8年間の中で、一段ずつ役職を経験させて頂き、役職毎によって組織の中で見えるものが違うことに気が付きました。そして、広く役職を経験させて頂き、役職毎で行うべき役割があることを感じました。役職における経験は単年度で終わるものではなく連動性があり、年を経るごとに経験を活かし組織の活性化に寄与する必要があるのです。そのため、常に毎年、自覚と覚悟を持った上で役職における責任を果たすことが必要なのです。そのような経験を積み重ねた個人の成長の総和が、組織を成長させます。組織の一員としてお互いの価値観を認め合い、横浜青年会議所における規律を守り、青年経済人としての潔さと謙虚な姿勢を持って活動していくのです。JAYCEEとして守るべき行動規範や流儀や作法を意識し、JCプロトコルを醸成するのです。

また、横浜青年会議所が必要とされる団体で在り続けるためには、先人たちが築き上げたプロトコルを踏み外すことなく、時代に即した形で変わり続けなくてはなりません。我々は常に積極的な変化を志し、新たな価値を創造する挑戦を試みる必要があるのです。そのような人材を育成するためにも「まちづくり」を通じて「ひとづくり」を行う。「まちづくり」のできる「ひと」を創って行くために、横浜青年会議所という学び舎に多くの賛同者を募る必要があるのです。その賛同者と共に一人ひとりが大きな夢を描き、理想を突き合わせて計画を立案し、青年らしい行動力を持って実行していくのです。

 

一人ひとりの踏み出す一歩一歩の掛け算が、結果として大きなムーブメントを創り出す。

一人ひとりが描く夢の総和は、加法的な変化に留まらず乗法的な変化へと昇華される。

一人ひとりが夢を持とう。夢がなければ成功はないのだから。

 

 

一般社団法人横浜青年会議所
第65代理事長
殿内 崇生

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